11月10日(日)は、開催中の「ミロ展」にちなみ、リトグラフを体験するワークショップを行いました。水と油の反発作用を利用して刷るリトグラフは、通常の制作では特殊な道具や薬品が必要となりますが、今回は身近な道具や材料を使う「キッチン・リトグラフ」という簡易的なリトグラフの技法を、版画家の中村真理先生に指導していただきました。
はじめにプロジェクターの画像を見ながら、リトグラフの歴史や製版の仕組み、製作方法をじっくりレクチャーしていただき、その後で制作に入りました。
トレーシングペーパーに写した下絵を、油分のないベンガラ紙を使ってアルミホイルに転写します。その下絵に沿って油性タイプの色鉛筆を使って描きます。この時、アルミホイルに余計な油が付かないよう、ビニール手袋をつけて描画しています。
描画したアルミホイルの版をコーラに浸した後、水で洗って製版します。版面にスポンジを使って水を加えた後、ローラーでインクを付けた上に紙を乗せて、バレンで擦っていきます。
擦ってみないと製版がうまくいったか分からないし、希望どおりにできていなくても製版のやり直しはできません。そこも楽しみながら参加者の皆さんは思い思いの作品を制作していました。
最後に皆さんの完成作を並べて鑑賞し、先生から感想をいただいて終了しました。
版画の技法の中でも実践の機会があまりなく、理解することが難しいリトグラフですが、簡易的でも身近な道具や材料を使ってできることが分かり、貴重な機会となりました。