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演劇公演を開催しました

別館ワークショップ室を劇場として使用する演劇公演を今年も5月22日~6月2日の期間に行いました。太田市を拠点に活動する「演劇/微熱少年」は、2022年から3回に渡って当館で公演を行っており、今回で一区切りとなりますので、過去開催の様子も振り返りながら、今回の公演の様子を紹介します。

5月初旬にワークショップ室内に舞台セットを設置して滞在制作が始まり、5月12日(日)には、美術館講堂で演劇ワークショップ「響きあう「ことば」と「からだ」」が演出家の加藤真史さんを講師に開催されました。参加者の方は、サポートに入った出演者の皆さんと一緒に体を動かしながら、演劇体験を楽しんでいました。

今年の演目は加藤真史作・演出の「めいく みい すまいる、あげいん」、俳優・大竹直作・演出の一人芝居「見えないけど、本当のこと」の二本立てでした。舞台美術は、北側の一角を使った一回目、南側を使った2回目とはまた異なり、中央の柱を挟んだスペースを使って展開しており、素敵なリビングダイニングが出現しました。「めいく みい すまいる、あげいん」は、大切な人を失った人々が繰り広げる優しく切ない物語であり、様々な気持ちを呼び起こしてくれる作品でした。視界を遮る中央の柱を、ダイニングキッチンとリビングのエリアを区切るポイントとして自然に活用する演出に、美術館スタッフも驚いていました。スケジュールの都合で一人芝居を自ら制作・演出した大竹直さんの「見えないけど、本当のこと」では、館林美術館の地元ネタも盛り込みつつ、一人芝居の面白さを体験することができました。

 

加藤真史さんが主宰する「演劇/微熱少年」の公演は、コロナ禍の2022年に、加藤さんから美術館へ企画の持ち込みがあったことから始まりました。演目はハロルド・ピンター作の二人芝居「料理昇降機/the dumb waiter」、出演者は演劇界で活躍する俳優さんで、美術館近くの邑楽町出身の大竹直さん、千代田町出身の加藤亮佑さんでした。当館別館は所蔵作家のフランソワ・ポンポンのアトリエを再構成した「彫刻家のアトリエ」があり、建物はポンポンの生まれ故郷であるフランスのブルゴーニュ地方の農家の納屋をモデルとしています。演劇の公演会場となったワークショップ室は制作体験を行うための部屋ですが、外観と同様の造りで古めかしい雰囲気の部屋のため、別の活用方法を試してみる価値はあると考えたこと、また近隣地域で活動する他分野の芸術との協働は、美術館活動の幅を広げるきっかけにできるのではと考え、ワークショップ室での活動を調整し、滞在制作からの本公演を開催することになりました。この試みは反響を呼び、翌年の2023年には、ワークショップ室で二つの現代劇を交互に実施、また講堂を開場に1日限りのリーディングシアターも行いました。

「演劇/微熱少年」による公演は今回で一区切りとなりますので、演劇公演の今後については未定ですが、またあらたな企画があれば前向きに検討して行きたいと考えています。
当館の今後の展開を楽しみにしていただければ幸いです。

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