フランソワ・ポンポンについて
About François Pompon
フランソワ・ポンポンは、1855年、フランス中部、ブルゴーニュ地方の町ソーリューに生まれました。20歳でパリに出るとさまざまな彫刻家の工房で働き、ロダンの工房では、大理石の下彫り職人として技量を高く評価されました。この頃、ポンポン自身は、『レ・ミゼラブル』の物語に取材した《コゼット》のようなロマン主義的な人間像を発表しています。
しかし、1895年から彫刻家サン=マルソーの助手をつとめ、彼が土地を所有していたノルマンディーの田舎で多くの時間を過ごすようになると、動物をモチーフとして作品を作り始めます。パリでも動物園に通い、1906年には初めて展覧会で動物彫刻を発表しました。ポンポンは野外で逆光に照らされた動物の輪郭線の美しさを見出し、古代エジプトの平面的で単純化された浮彫彫刻にも影響を受けて、簡潔で流麗なシルエットによる動物彫刻を生み出しました。
1922年、実物大の彫刻《シロクマ》をサロン・ドートンヌで発表すると、大きな注目を集め、67歳にして、革新的な動物彫刻家として広く認められるに至りました。1933年に没するまでの生涯の間に、約170種の動物彫刻、70点弱の人物像とその他の彫刻を生み出しました。