開催終了 企画展
みつめる 見ることの不思議と向き合う作家たち
2019年7月13日(土) ~ 2019年9月16日(月)
日常の自然や風景、身辺の周りにあるものから受けとめたものを絵画表現とする、この見ることと描くことの間を橋渡しするものは何でしょうか。本展覧会では、見ること、感じることの神秘を問い、それを絵画空間でのみ表しうる独自の表現へと深め続けている7人の作家に注目します。
樹木のある空間を見つめ、紙の裏側から墨を滲ませてその濃淡により描画し、水墨画の伝統から新たな可能性を引き出す浅見貴子。柔らかい布、硬質な磁器など日常的なモチーフを取り巻く光に注目し、ものの存在を質感でとらえ、描き出す伊庭靖子。気配や湿り気、植物の香りなど、ふとしたできごとを五感で受け止めてドローイングへとつなげる金田実生。樹木や風景を描画した上を絵の具で薄く覆い、画面のレイヤーを通じて、イリュージョンと物質感を往還する児玉靖枝。あるとき、ある場所の光や風をはらむ海や空や街路の情景を、かけがえのないものとしてスケッチし、線と形と色相の響き合いへと置換する津上みゆき。樹々の間にのぞく果てしない空を、感覚の上に引き寄せる樹木の複雑な構造を通して、画面上に生じる「空間」の不思議を問う日高理恵子。天空や水中など、大気や水に満たされた大きな広がりを連想させる幻想的な世界を、繊細かつ深遠な色調によって作りだす水村綾子。彼らの作品は、現実世界と絵画世界の関係性の探究と、新鮮な発見を続けるための意識的で持続的なチャレンジ、この二つがクロスするところに成立しています。
7人の作家たちは、私たち誰もが知る日常の視覚的世界に根ざしながら、見ることの不思議を伝えるそれぞれ独自の絵画表現を通して、世界をみつめる透徹したなまなざしへと誘います。
- 会期
- 2019年7月13日(土)~9月16日(月・祝)
- 時間
- 午前9時30分~午後5時 ※入館は午後4時30分まで
- 休館日
- 月曜日(ただし7月15日、8月12日、9月16日は開館)、7月16日(火)
- 観覧料
- 一般 610 (480) 円、大高生 300 (240) 円 ※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※震災で避難されてきた方は無料で観覧できますので、受付でお申し出ください。 - 主催
- 群馬県立館林美術館
- 助成
- 芸術文化振興基金