開催終了 企画展
ヒューマンビーイング-藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで
2024年1月27日(土) ~ 2024年4月7日(日)
本展は、美術表現の基本といえる人物像に焦点を当てた展覧会です。表現へのアプローチは時代によって、国・地域によって、作家の個性によってもさまざまです。近代から現代にかけての作家たちが人の姿に託して表現しようとしたものをさぐってみたいと思います。
彫刻家にとって人物像の表現は主要なテーマといえます。それは、彫刻という概念が、人間中心の西洋思想の中で育ったものであるということに起因します。特に、物をよく見てその本質をさぐろうとする「写実」を大切にする作家たちにその傾向は顕著です。日本では戦前から前後にかけて、西洋に影響を受けながら写実表現を追求した、「官展アカデミズム」とよばれる作家たちがいました。本展ではその系譜にいる館林生まれの藤野天光(1903-1974)の生誕120年を記念し、師の北村西望(1884-1987)の作品とともに特集します。
生まれ故郷の群馬県下仁田町で、自らの生活に根ざして人間をみつめる三輪途道(1966-)もまた「写実」を追求する彫刻家です。本展では、2000年前後に制作された木彫による半身像を出品するほか、目が見えなくなってから生み出された作品は、凸凹とした力強い形態を手で触れて鑑賞できる展示となります。
作家が写すのは目で見える世界のみとは限りません。当館に所蔵・寄託された現代作家の絵画・彫刻作品からも、さまざまな人物表現をお楽しみください。
【主な出品作家】
猪熊弦一郎、大竹利絵子、掛井五郎、北村西望、KYNE、久野和洋、熊谷守一、小杉放菴(未醒)、酒井三良、佐藤 忠良、白石綾子、高田博厚、鶴岡政男、勅使河原蒼風、中平四郎、永井一正、にしはらあずさ、西尾康之、日野之彦、藤野天光、藤牧義夫、町田久美、松井冬子、三宅砂織、三輪途道、森芳雄、山口晃、山口長男、ロッカクアヤコ
アンディ・デンツラー、マックス・エルンスト、チェスラフ・ズベール、フランソワ・ポンポン、ヘンリー・ムーア、バーバラ・ヘップワース
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藤野天光《ベレー帽》1926年
館林市蔵
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北村西望《思い出せぬ顔》 1952年
井の頭自然文化園彫刻園蔵
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三輪途道《SELF》2000年
O氏蔵 photo: Koichi Hayakawa -
三輪途道《泥団子仏女》2021年
作家蔵 photo: Ryoichi Suzuki -
中平四郎《讀賣》1924年
個人蔵(群馬県立館林美術館寄託)
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西尾康之《Stand up》1997年
個人蔵(群馬県立館林美術館寄託) -
にしはらあずさ《グレタ》2010年
I氏コレクション(群馬県立館林美術館寄託) -
ロッカクアヤコ《Untitled》2014年
個人蔵(群馬県立館林美術館寄託) -
KYNE《Untitled》2020年
個人蔵(群馬県立館林美術館寄託)
- 会期
- 2024年1月27日(土)~4月7日(日)
- 休館日
- 月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火)
- 時間
- 午前9時30分~午後5時 ※入館は午後4時30分まで
- 観覧料
- 一般620円(490円)、大高生310円(240円) *( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
※群馬県在住の65歳以上の方は平日のみ2割引き - 主催
- 群馬県立館林美術館
- 協力
- 館林市、群馬大学、一般社団法人メノキ
- 協賛
- セント・メセナの会