開催終了 企画展
フィンランドの美術 神話が息づく自然の国
2003年9月20日(土) ~ 2003年11月24日(月)
北欧の国フィンランドは、歴史上長く他国の支配下にあり、その間ひとつの民族としての自我意識が称揚されることはなかった。ロシア帝政下の大公国となった19世紀、医師エリアス・リョンロットの手によって、膨大な量の神話・伝説が、フィンランド独自の口承文芸として体系化された。これが叙事詩『カレワラ』である。これによりフィンランドの人々は民族的自覚を強く持つに至り、自主独立への気運を高めることに一役買ったといわれる。今日に至るまで、『カレワラ』はフィンランド国民の精神の拠り所であり、民族のシンボルとして人々の心に生き続けている。
本展覧会は、19世紀から現代に至るフィンランド美術の中から、『カレワラ』あるいは「神話」、さらにはそれらを育んだ自然に主題を求めた絵画、写真、映像など89点を紹介し、フィンランド美術の一側面を概観するとともに、「神話」が織りなす深い精神性をさぐることを目的とした。そのため、会場を「1 『カレワラ』とそれを育んだ自然」、「2 内なる自然」、「3 現代の神話」の3部構成とし、近現代の幅広い美術表現のなかに通底する「神話」というテーマをわかりやすく展示した。
日本ではあまりなじみのない作家・作品が多かったが、近年北欧の国に対する注目度が高くなっていることから、熱心な観覧者を集める結果となった。また、ヘルシンキ市立美術館学芸員の講演会、叙事詩『カレワラ』の朗読や民族楽器カンテレの演奏などを織り交ぜた美術講座も盛況であった。
- 会期
- 2003年9月20日(土)~11月24日(月・祝)
- 観覧料
- 一般800円(640円)、大高生400円(320円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料 - 主催
- 群馬県立館林美術館/朝日新聞社
- 協賛
- コネ・コーポレーション/フィンランド美術交流基金
- 後援
- フィンランド大使館/フィンランドセンター
- 特別協力
- ヘルシンキ市立美術館/山口県立美術館
- 企画協力
- トランスフォーム株式会社