開催終了 企画展
夢のなかの自然-昭和初期のシュルレアリスムから現代の絵画へ-
2006年9月16日(土) ~ 2006年11月26日(日)
大正末期から昭和初期にかけて日本に紹介されたフランスの芸術運動シュルレアリスムは、日本の造形芸術に多大なる影響をもたらした。特に絵画においては、西欧のシュルレアリスム絵画の形式的な模倣がさかんに行われ、「シュール派」なる呼称で呼ばれるひとつの様式的傾向を指摘されるまでになった。近年、このようなシュルレアリスムに影響を受けた日本の近代絵画における研究は、さまざまなアプローチから試みられ、多くの成果を得ているところである。
本展は、こうした日本の「シュルレアリスム絵画」にあらわれるモティーフとしての「自然」あるいは「風景」を取り上げ、それらがどのように機能し、どのような意味を持ってきたかを考察することで、日本近代における「不条理なる絵画」とその作家たちが目指した造形指向の再検討をはかることを目的とした。
まず、シュルレアリスム絵画に代表される近現代日本の美術、特に絵画・版画・写真にみられる不条理な世界と、そこにたちあらわれる「自然」のイメージの関係について、作品と文献資料等の展示によって考察し、その構造と意味を検証した。次に、現代の絵画にみられる「不条理なる自然」の表現について、現代の作家たちの作品をもとに検討し、画家たちの近代と現代をつなぐ精神にせまるとともに、昭和初期から現代の日本を照射し、現代絵画の可能性を考察した。
なお、本展の展覧会図録は、美術館連絡協議会の「カタログ論文賞 自主企画部門」を受賞した。
〈出品作家〉
第1部:靉光 浅原清隆 阿部展也(芳文) 飯田操朗 伊藤久三郎 今西中通
岩橋英遠 内田慎蔵 小川原脩 柿手春三 加藤太郎 鎌田正蔵 川口軌外
北脇昇 小石清 古賀春江 後藤敬一郎 小牧源太郎 佐田勝 下郷羊雄
杉全直 鷹山宇一 田島二男 土屋幸夫 寺田政明 中山岩太 浜田浜雄
福沢一郎 三岸好太郎 矢崎博信 安井中治 山崎隆 吉井忠 吉川三伸
米倉寿仁
第2部:伊藤存 近藤正勝 中川トラヲ 平町公 真島直子
- 会期
- 2006年9月16日(土)~11月26日(日)
- 観覧料
- 一般800円(640円)、大高生400円(320円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名及び
県民の日(10月28日)に観覧される方は無料 - 主催
- 群馬県立館林美術館
- 助成
- 財団法人 地域創造