開催終了 企画展
小室翠雲(1874-1945)展-館林に生まれ近代南画の大家に-
2010年4月24日(土) ~ 2010年6月6日(日)
日本画家・小室翠雲(こむろ・すいうん)は明治7年、当時は栃木県であった現在の群馬県館林市に、呉服商を営む父・小室牧三郎と母・ふきの長男として生まれました。本名を貞治郎と言います。 10代後半には足利の南画家・田崎草雲(1815-1898)に学んで頭角を現し、草雲の父の号だった「翠雲」を与えられました。
翠雲が当時主に学んだのは中国の文人画に由来する日本の「南画」であり、翠雲の生きた時代、南画に対する社会の風向きは必ずしも良い時ばかりではありませんでしたが、南画家として徐々に日本中に知られる存在となり、時代を代表する日本画家の一人にまでなってゆきます。
30歳を超えるころから日本美術協会への出品などにより、全国的名声を高め、文展に反対する正派同志会副幹事長としての活動を経て、文展審査員に選ばれました。1921(大正10)年には朝鮮・中国への旅行に加えて、同年結成された日本南画院への参加を請われます。同院に参加した後は主要なメンバーとしてかつやくしました。
なお1917(大正6)年ごろから長興山荘という箱根の別荘を使い、これにちなんで「長興山人」などと号していましたが、1939(昭和14)年には熱海に「佳麗庵」という新しい山荘を新築し、晩年には作品にもその名が記されることが多くなりました。
1944(昭和19)年、翠雲は帝室技芸員に選ばれる大変な栄誉を得ています。ところが終戦の年である翌昭和20年に亡くなったこともあり、生前の名声に比べて現在では知る人が少なくなっているのも事実です。そうしたなか、翠雲の生まれ故郷館林に位置する当館に、全国から名作が集まりました。日本近代絵画史に足跡が深く刻まれたこの画家の業績をふりかえる、これまでにない大規模な回顧展となりました。
- 会期
- 2010年4月24日(土)~6月6日(日)
- 観覧料
- 一般800円(640円)、大高生400円(320円)
※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料 - 主催
- 群馬県立館林美術館