開催終了 企画展
色めく彫刻-よみがえる美意識
2012年9月22日(土) ~ 2012年12月2日(日)
近現代彫刻の色に注目し、彫刻の特性と表現の多様性を紹介した展覧会。
石、金属、木・・・素材そのものの美しさに加え、彫刻作品は彩色にも大きな魅力と可能性が秘められている。ところが、ミケランジェロの時代から近代に至るまで、西洋では彫刻に色づけすることはあまり好まれなかった。ロダンにとって、彫刻への彩色は、正確な肉付けを邪魔するシミのようなものでしかなかったという。西洋でも日本でも、神殿や社寺、神仏像に彩色を施すことは古くから行われていたのだが、忘れかけられていたその事実は、近代になって考古学的発見として再び広く知られるようになった。
近代日本において、彩色彫刻の美意識を再び世に問うたのは、長い伝統を背景に新しい可能性を追求した木彫家たちであった。さらに現代の彫刻家たちは、自らの表現世界の実現のために、色を欠かせない要素として取り込んでいく。
本展では近現代の作家21人の多彩な作品が展示されたが、特に収蔵作家のフランソワ・ポンポンについて、鋳造所におけるブロンズ表面の仕上げへのこだわり、特に黒の役割と形態の単純化への道のりとの関係について考察した。また、当館に比較的近い渡良瀬渓谷付近を拠点に江戸時代に活躍した彫物師による極彩色の寺社装飾を写真家による作品によって紹介した。
【章構成】
Ⅰ フランス近代彫刻とその系譜にみる色
第1節 黒と白のモダン ロダン、ポンポン、北村四海、高田博厚
第2節 素材を装う色
Ⅱ 日本近代彫刻と色
第1節 極彩色の伝統 若林純
第2節 色を愛する心 安藤綠山、起立工商会社、新海竹太郎、中谷翫古、平櫛田中、佐藤朝山、清水三重三、澤田政廣、宮本朝濤、平野富山
Ⅲ 現代彫刻と色
第1節 温故知新 前原冬樹、三輪途道、下山直紀、保井智貴
第2節 彩色彫刻の可能性 岡本敦生+野田裕示、袴田京太朗
- 会期
- 2012年9月22日(土)~12月2日(日)
- 観覧料
- 一般800円(640円)、大高生400円(320円)
※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※震災で避難されてきた方は無料で観覧できますので、受付でお申し出ください。 - 主催
- 群馬県立館林美術館
- 助成
- 芸術文化振興基金