開催終了 企画展
雪と氷『雪華図説』から現代の美術まで
2012年7月21日(土) ~ 2012年9月2日(日)
群馬県の館林は、関東平野の北部に位置する内陸地であり、夏は全国一の暑さで知られるとおり、この地域は雪や氷を見る機会にあまり恵まれない。しかし日本はアジアから雪や氷を見る観光客が多いことで知られるように、南北に長い土地の特性から、古来、雪や氷に発想源を持つ芸術作品や文様が豊かに生み出されている。
本展では、特徴ある雪と氷の造形の歴史を概観し、暑い館林の夏において新たな視点を紹介した。
館林の東に位置する茨城県古河市では、江戸時代に古河の城主・土井利位(1789~1848)が、雪の結晶を観察しその結晶図を『雪華図説』に著した。本展では古河歴史博物館が所蔵する本書と、これがきっかけになって生まれた江戸時代の雪の文様をデザインした様々な作品を紹介した。また、世界に先駆けて雪の結晶を科学的に研究した中谷宇吉郎(1900~1962)、そして中谷宇吉郎の業績を顕彰すべく創設された「雪のデザイン賞」入賞作品をあわせて紹介した。
美術の世界でも、雪と氷は様々なイメージを提供し、数多くの作品のモチーフとなってきた。富士山を挙げるまでもなく、高い山の頂に積もった雪の美しさには、神々しささえ感じられ、雪深い北国の情景には、営々と繰りかえされる人々の雪との生活がしのばれる。氷もまた、氷河の雄大さを演出する一方で、氷上のスケートに人々の憩いを提供する。本展では、これら雪と氷をモチーフに作家それぞれのイマジネーションと生活から生み出された近現代の絵画や版画、写真を加え、全72点の資料・作品で構成した。また会場の最後に絵本コーナーを設け、自由に絵本を読んでもらえるスペースとした。
- 会期
- 2012年7月21日(土)~9月2日(日)
- 観覧料
- 一般500円(400円)、大高生250円(200円)
※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※震災で避難されてきた方は無料で観覧できますので、受付でお申し出ください。 - 主催
- 群馬県立館林美術館