お知らせ

「ゆっくり、じっくり、みてえがく~色鉛筆ワークショップ~」を開催しました(2026. 5. 23)

2026年5月23日(土)、企画展示「熊田千佳慕の世界」の関連事業として、画家の渡辺香奈氏を講師に迎え、「ゆっくり、じっくり、みてえがく~色鉛筆ワークショップ~」を開催しました。このワークショップは、熊田が自然物をよく観察して絵を描いた姿勢にならって、「じっくり見て描く」ことをテーマにしたものです。熊田が主に用いた画材はポスターカラーですが、大変な時間をかけて描いているため、このワークショップでは色鉛筆を用いて草花などの自然物をモチーフに描くことにしました。

まず制作を始める前に、参加者全員で企画展会場にて熊田千佳慕の作品を鑑賞しました。渡辺さんの画家の目から見た熊田の絵の特徴と技法の解説は、作品の内容解説とは違う視点を教えてくれるものでした。

その後ワークショップ室に戻り、制作開始です。描く材料は、美術館スタッフがあらかじめ採取した草花、木の枝、石など。渡辺さんから、素材は画用紙の上に置いて、同じ大きさで描いてみましょう、と話がありました。用意した色鉛筆は24色です。初め全体の形をとらえる時はねずみ色や黄土色のような薄く渋い色を使い、鉛筆を横に寝かせて力は入れずに描く、という方法を、実践を交えて説明してくれました。

10名の参加者は、それぞれ好きなモチーフを選んで、制作を始めました。渡辺さんは、イメージにとらわれず自然の個性に目を向けることや、ハイライトは白のアクリルガッシュを使い、影は色鉛筆を縦に持って力を入れて描くことなど、表現のコツを教えてくれました。参加者は、迷った時には渡辺さんに直接指南を仰いだり、渡辺さんの実演をよく観察したりしながら、静かに集中して約2時間の制作でそれぞれ個性的な絵を描いていました。

描く活動が終わった後に、参加者一人一人から感想を述べていただき、渡辺さんから講評をしていただきました。参加者からは、「自然のものをこんなにじっくりみたのは久しぶりだった」「最初は描くのが難しかったけど、だんだん目の前にみえている石にみえてきました」「いつも絵の具等で絵を描くので、色鉛筆は初めて使う描画材だったが、使い方について学ぶことができたので今後に活かしたい」などの感想があがりました。渡辺さんは、参加者の感想を優しく受け止め、一人一人の努力していたところを褒めてくれました。

全ての活動が終わった後には、ワークショップ参加者が熊田展を自分の描いた作品とともに鑑賞する様子も見られました。体験をすることで熊田の作品のみえ方が変わったのではないかと思います。

この日、渡辺さんは骨折のため車椅子での移動でしたが、テーブルをまわって細やかにアドバイスをしながら制作をサポートしてくださり、とても充実したワークショップの時間となりました。

渡辺香奈氏(作)サンプル作品

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